キーレスキーのメリットや注意点・トラブルの解決方法をご紹介します
自動車に用いられているキーレスキーは、物理キーを差し込まずに車のドアを開けたり、エンジンを始動したりすることができる画期的なアイテムです。
これにより日常生活において車の利用がよりスムーズになり、ドライバーに便利さと快適さがもたらされました。今や、車の鍵を開け閉めする際には、キーレスキーやスマートキーの機能を利用している方がほとんどでしょう。
一方で、その構造が分かりにくいキーレスキーだからこそ、利用する上での注意点・トラブルの解決方法について理解しておくことも重要です。本ページでは、キーレスキーの基本的な機能やメリットと合わせて、故障・紛失時のベストな対応についてご紹介します。
目次
「キーレス」とは?
キーレスキーについてご紹介する前に、そもそも「キーレス」とはどういうことなのかを確認していきましょう。
物理キーを差し込まなくても、車のドアが開けられるキーレスキー
キーレスキーとは名前の通り、操作するときに「物理的な鍵」の挿入が不要である鍵のことを指します。鍵を差し込む代わりに、キーレスキー本体に付いているボタンを押すことで電波が発信され、その電波を自動車が認識して鍵を開けることができます。
利用者がキーを挿入する必要がないため、買い物袋などの手荷物を持っている場合でも、ボタンひとつで鍵の開け閉めをできる点が魅力です。一方で、電気の力で電波を発信するため、電池切れや水没などのトラブルには気を付ける必要があります。
1985年、ホンダ車が日本初となるキーレスエントリーを採用
キーレスエントリーを搭載した自動車をはじめて販売したのは、日本を代表する自動車メーカーのホンダだったと言われています。1985年に同社が発売したアコードと、その姉妹車であるビガーに採用されたキーレスエントリーシステムは、その利便性が高く評価されました。
以降、日産やトヨタなどさまざまなメーカーの車に標準装備されるようになり、キーレスキーの全盛期を迎えました。
スマートキーの登場で、キーレスキーの数は減少傾向にある
1980年代から90年代にかけて多く採用されていたキーレスキーですが、その機能を進化させたスマートキーが誕生したことにより、現在ではその数が減少傾向にあります。
1993年に欧米市場で発売されたシボレーコルベットは、スマートキーを搭載した初めての自動車でした。
日本では、2000年に登場した3代目セルシオにオプション装備としてスマートキーが採用されています。わざわざカバンから鍵を取り出さなくても操作できるスマートキーは、女性を中心として人気に火が付き、2000年代前半にはデュエット・マーチなどのコンパクトカーにも搭載されるようになりました。
キーレスとよく似ている「スマートキー」とは?
ここまで、キーレスキーの機能と歴史の盛衰を紹介しました。キーレスキーに取って代わるようにして普及している鍵に「スマートキー」が挙げられますが、この両者の違いは何でしょうか?
1990年代後半から自動車に採用されるようになったスマートキー
前述した通り、1993年のシボレーコルベットに採用されたスマートキーは、1990年代後半に欧米で発売された自動車に多く搭載されるようになりました。また、海外での高い評判も後押しし、2000年代以降は日本市場の自動車にも採用されるようになりました。
スマートキーと自動車の双方が、常に微弱な電波を発している
キーレスキーの電波が一方向であるのに対して、スマートキーは自動車との間で、双方向の電波をやり取りしているのが大きな違いです。
キーレスキーは、テレビやエアコンのリモコンのように、ボタンを押したときにだけ電波を発信します。そのとき、付近に対応している自動車があれば、電波を受信して開錠・施錠ができる仕組みです。
一方、スマートキーは常に微弱な電波を発信し続けています。同じく微弱な電波を発信している自動車が、相互の電波をやり取りすることによって、鍵の開錠・施錠ができる仕組みになっています。鍵本体のボタンを操作しなくても自動車のドアを開けられるか否かが、キーレスキーとスマートキーの大きな違いのひとつだと言えます。
スマートキーに特有な「リレーアタック」での窃盗被害が報告されている
利便性でキーレスキーを上回るスマートキーですが、昨今そんなスマートキーの自動車を狙った窃盗被害が相次いでいます。「リレーアタック」と呼ばれる窃盗手法です。
まず、犯人の一人がスマートキーを持った人に近付き、特殊なハッキングツールで微弱な電波を傍受します。そして、その電波の情報を複数人でリレーのように受け渡し、自動車の近くにいる犯人が開錠操作をします。自動車は、あたかもスマートキーを持った人が近くにいると認識し、開錠・エンジン始動が可能になってしまうのです。
この手法は、常に微弱な電波を発信しているスマートキーだからこそ成し得る犯行です。ボタン操作が不要で便利な点があだとなるため、スマートキーを使用している方はリレーアタックについても対策を図る必要があります。
キーレスキーとスマートキーの機能の違いは?
キーレスキーとスマートキーはよく似ている鍵ですが、実際に使用する上での違いはどのようなものが挙げられるでしょうか?
違い① 車のドアを開錠・施錠するとき、鍵のボタン操作が必要かどうか
第一の違いとして「ドアの開錠・施錠時に、ボタン操作が必要か否か」という点が挙げられます。キーレスキーで鍵を開け閉めする際にはボタン操作が必要ですが、スマートキーを持っていれば、車体のドアレバー付近のボタンを押すだけで鍵を開けることができます。
なお、スマートキーであっても鍵にボタンが付いているタイプがあり、この場合にはキーレスキーのような操作で鍵を開け閉めすることも可能です。
違い② 車のエンジンを始動するとき、鍵を差し込むかどうか
キーレスキーは、エンジンの始動時に鍵を差し込んでひねる必要があります。一方で、スマートキーであればその必要がなく、運転席にあるエンジンスタートボタンを押すだけでエンジンを始動することができます。
車内にいる時にスマートキーを持っていれば、カバンやポケットの中に入れたままでもエンジンをスタートが可能。つまり、エンジンの始動の利便性においてもスマートキーに軍配が上がります。
キーレスキーのメリット
ここまで、スマートキーと比較する形でキーレスキーの機能をご紹介しました。キーレスキーのメリットを整理すると、以下のような点が挙げられます。
鍵を差し込まずに車のドアの開錠・施錠ができる
まず、キーレスキーはボタンで車のドアの開錠・施錠操作ができるため、鍵を差し込む必要がない点がメリットです。自動車のドアの鍵穴には、雨水や砂・ゴミなどが付着しやすいため、メンテナンスを怠ると差し込みにくくなることがありますが、キーレスキーであればその心配も少なく済みます。
「リレーアタック」の被害に遭う可能性が低い
先ほど紹介したリレーアタックの被害は、常に電波を発信しているスマートキーを搭載した車を狙った犯行です。対して、キーレスキーはボタンを押したときにだけ電波を発信するため、リレーアタックの被害が起こることは理論上ありません。
窃盗から愛車を守るためには、スマートキーを節電モードにして使用する・電波遮断ケースに入れて管理するほか、あえてキーレスキーの車を選ぶという手も考えられます。
キーレスキーを使う時の注意点
キーレスキーは便利で使いやすいシステムですが、注意が必要な点もあります。ここからは、キーレスキーを使う時の注意点についてご紹介します。
電池が切れてしまうと、ボタンで鍵の操作ができなくなる
キーレスキーは、内蔵されている電池を動力にして、自動車との間での無線通信を行っています。便利な反面、電池が切れてしまうと鍵の操作ができなくなる点には注意が必要です。
なお、使用頻度や環境にもよりますが、1~2年間であれば同じ電池を使用し続けることが可能だと言われています。1年に1回は電池を交換しておけば、電池切れの心配はほとんどないと言えるでしょう。
鍵が折れたり曲がったりすると、エンジンが掛けられなくなる
一般的な物理キーと同じく、キーレスキーも鍵の先端が折れたり欠けたりするリスクがあります。鍵が折れたとしても、ドアの開錠・施錠はボタンで行うことができますが、鍵を差し込む必要があるエンジンの始動は出来なくなってしまいます。また、上述した電池切れも同時に発生していれば、車の鍵を開けることも困難になります。
効果的な対策としては、車の鍵の管理方法に注意することに尽きます。キーレスキーを持ち歩く際には、キーケースやポーチなどに入れ、物理キー部分に衝撃を与えないように注意しましょう。
施錠状態でドアを閉めると、鍵を車内に閉じ込めてしまうことがある
キーレスキーで車のドアを開錠するためには、キーレスキー本体のボタンを押すか、物理キーを車の鍵穴に差し込むかのどちらかです。
では、キーレスキーを車内に入れたまま、施錠状態になっているドアを閉めてしまうとどうなるでしょうか?ドアを開けるためのキーレスキーは車内にあり、どうやっても取ることができません。これがいわゆる「インロック」や「インキー」の状態です。
家の中など手の届く範囲にスペアキーがあれば、インロックしてしまっても鍵を開けることが可能でしょう。しかし、スペアがなければキーレスキーを取り出せないので、出張鍵屋やディーラーなどに相談する必要があります。
キーレスキーが故障した時の対応
ここまで、キーレスキーの使用時の注意点を紹介しました。では、もしもキーレスキーが故障してしまい、ボタンを押しても車のドアの開錠・施錠ができなくなってしまったら、どのように対処すればよいでしょうか?代表的な対応策を、3つに分けてご紹介します。
自分の力だけで解決する
第一に、自力で解決する方法です。なるべく安くキーレスキーのトラブルを解決したいと考えている方は、まず自力での対処法を考えることでしょう。
もしもキーレスキーのスペアを用意していれば解決できる
結論から言えば、家の中や車の中など、手の届く場所にキーレスキーのスペアを用意していれば、ひとつのキーレスキーが故障したとしてもスペアで対応することができます。物理キーを使って車のドアを開けることができるので、車内にスペアのキーレスキーを保管しておき、万が一故障したらその場でスペアと取り換えるという方も少なくありません。
スペアキーが手元にない場合、自分で解決するのは難しい
手の届くところにスペアがない場合、自力でキーレスキーを修理するのは困難です。キーレスキーは電子機器であり、その内部構造は複雑なため、素人が修理できるようなものではありません。後述するように、車のディーラーもしくは出張鍵屋に相談するのがベストな対応です。
車のディーラーに修理してもらう
キーレスキーが故障した時の対処法として、2つ目に挙げられるのが「ディーラーに相談する」という手段です。
ディーラーにキーレスキーの修理を相談できる
自動車を購入した時の販売店やディーラーに相談すれば、壊れたキーレスキーを修理してもらうことができます。修理が困難な場合には新しいキーレスキーを作ることになりますが、純正キーレスキーは品質が高く、これまで使っていた鍵とも遜色ないでしょう。
相談する際には、車検証や鍵番号・身分証明書などを用意できているとスムーズです。また、依頼主が車の名義人ではない場合には、名義人との関係を示す書類の提示を求められる場合があります。
修理できたとしても、数週間ほどの時間が掛かる
キーレスキーの修理をディーラーに依頼するときの難点は、その修理に時間がかかる点です。通常、依頼から数週間ほどを要すると言われていますが、半導体などの材料が不足している昨今ではさらに時間が掛かるケースもあるようです。
特に、通勤や通学などで毎日車に乗っている方は、キーレスキーがないと困ってしまうもの。「なるべく早くキーレスキーを修理したい!」とお考えの方は、鍵屋に出張してもらう方が時間短縮につながります。
鍵屋に相談し、現場にスタッフを派遣してもらう
キーレスキーが故障した時には、自力で解決する・ディーラーに依頼するという策の他に、地域で活動している鍵屋に相談するという解決手段も考えられます。
鍵屋のスタッフが、自動車のある現場まで駆け付けてくれる
鍵屋のスタッフによるキーレスキーの修理作業のメリットは、現場で待っているだけで迅速に対応してもらえるという点です。キーレスキーのトラブルの際には、車から離れにくい場合も考えられるため、現場まで駆け付けてもらえるのが助かります。
電池交換から物理キーの再作成まで、幅広い作業をその場でスピーディーに実施してもらえるため、急いでいるなら鍵屋に相談するのがオススメです。
キーレスキーを紛失した時にも相談できる
鍵屋のスタッフには、ディーラーと同じように車の鍵の紛失トラブルも相談することができます。キーレスキーを紛失した場合、その場でキーレスキーと同じ機能を持った鍵を作る他、ドアの開け閉め・エンジン始動に必要な物理キー部分のみ作るという解決策も考えられます。
また、車内にキーレスキーを落としている可能性があるなら、まずは一旦ドアの鍵開けを相談するという策も考えられるでしょう。鍵のトラブル全般に対応している鍵屋なら、状況に応じたあらゆる解決策を講じることが可能です。
キーレスキーの紛失した時の合鍵の作り方
ここまで、キーレスキーの故障時の対処方法についてご紹介しました。では、もしもキーレスキーを紛失してしまった時には、どのような手段で解決することができるでしょうか?
合鍵作成の前に、警察署や交番で遺失届を出しておく
キーレスキーに限らず鍵を紛失してしまった時には、警察署や交番で遺失届を出すことが重要です。これにより、自分の鍵がすでに届けられているかどうか確認できるほか、提出後に見つかった時には自分に連絡してもらうことができます。
遺失届には自分の氏名や連絡先のほか、紛失した時間・場所・鍵の特徴について記入します。他の鍵との違いがあると見つかりやすいので、言葉でも説明しやすいキーホルダーなどを付けておくと安心です。
車のディーラーにキーレスキーの作成を相談する
遺失届を提出しても、すぐにキーレスキーが見つかるとは限りません。もしもなかなか発見できないようであれば、新しいキーレスキーを作る必要があります。
キーレスキーが故障した時だけでなく、失くしてしまったときの相談先としても、車のディーラーが候補に挙げられます。
ディーラーなら、純正のキーレスキーを新しく作ってもらえる
ディーラーに相談すれば、純正のキーレスキーを作成してもらうことができます。質の高い正規品には安心感があるため、純正品にこだわりを持つ方も少なくないようです。新しいキーレスキーは、紛失する前のキーレスキーと比べても違いが分からないほどでしょう。
しかしその一方で、ディーラーに相談することによるデメリットも目を向ける必要があります。
キーレスキーの完成までに数週間くらい要する場合がある
正規品を作成するディーラーでは、キーレスキーを完成させるまでに時間が掛かるのがデメリットです。平均的には、依頼してから2週間程度の期間を要するため「すぐに鍵を作って車に乗りたい!」という方にはオススメできません。
また、依頼者が車の名義人でなければ、依頼者と名義人の関係が第三者からも分かるような書類が必要となります。勝手に他人の車のキーレスキーを作るわけにはいきませんから、このような書類が必要なのは当然のことです。
最近では、半導体不足や工場の人手不足・物流の遅延などが原因となり、キーレスキーの製造・到着にはさらに時間が掛かるケースもあります。ディーラーに依頼するのなら、その前にどれくらいの時間が掛かるかは確認しておきましょう。
出張鍵屋にキーレスキーの作成を相談する
キーレスキーを紛失した時の対応として、鍵屋に相談するという方法も挙げられるのは上述の通り。では、出張鍵屋のスタッフに作業を相談するメリット・デメリットは何でしょうか?
短時間でキーレスキーを作りたいなら、出張鍵屋に相談するのがオススメ
出張鍵屋にキーレスキーの作成を相談するメリットとして、迅速な対応は第一に挙げることができます。もちろん、依頼する地域やその時間帯にもよりますが、すぐに現場にスタッフが駆け付けてくれるので安心感があります。
さらに「インロックしてしまったので、一刻も早く車のドアを開けたい!」という方にはドア開錠を、「車で家に帰れれば鍵があるので、今は物理キーだけが必要!」という方には物理キーの作成を実施する等、ニーズに合った作業ができるのも出張鍵屋の魅力です。
車種によっては対応できない鍵屋もあるので注意が必要
出張鍵屋にキーレスキーの作成を依頼する上での注意点は、車種や年式によっては対応の範囲外であるケースがあることです。特に年式が古い自動車や珍しい自動車は、キーレスキーに必要な部品がないと作成できないことも。自分の自動車が対応しているかどうかは、あらかじめ出張鍵屋ごとに確認しておく必要があります。
キーレスキーの修理・作成を依頼する出張鍵屋の選び方
最後に、キーレスキーが故障したり紛失してしまったりした時に作業を依頼する、出張鍵屋の選び方についてご紹介します。鍵屋の特性は千差万別ですが、おおむね以下の4ポイントを押さえておけば安心です。
キーレスキーに対応している鍵屋の営業時間
まず、鍵屋の営業時間に注目しておきましょう。キーレスキーの修理・作成が必要になる時間は昼夜を問わないため、夜遅くや朝早くに営業している鍵屋であれば安心です。また、最近では都市部を中心として、24時間営業している鍵屋が全国的に増えているので、依頼する時間によっては、このような鍵屋に相談するのもオススメです。
鍵屋のスタッフの活動エリア
次に、鍵屋のスタッフの出張できるエリアです。ネットで「キーレスキー 故障(もしくは紛失) 〇〇(地域名)」などのフレーズで検索すれば、近くで活動している鍵屋が上位に表示されるでしょう。ホームページに出張エリアの一覧表が掲載されていれば、合わせてそちらも確認しておくと安心です。
キーレスキーのトラブルに対応しているか
営業時間や活動エリアに問題が無くても、肝心のキーレスキーのトラブルに対応していなければ意味がありません。ホームページに作業事例や対応可能な商品が掲載されていないか、キーレスキーについて紹介されていないかを確認しておきましょう。
具体的な年式・車種について細かく紹介されていれば問題ありませんが、調べても分からないようであれば、フリーダイヤルやメールフォームなどの相談窓口も活用することがオススメです。
キーレスキーの修理・作成作業に掛かる費用
最後に、キーレスキーの修理・作成に掛かる費用です。こちらもホームページに料金表が掲載されていることが多いので、余裕があれば確認しておきましょう。また、近年では口コミサイト・SNSに利用者の声があることも少なくないので、社名を入力して検索するのもオススメです。
さらに、実際に現場へ駆け付けてくれたスタッフには、作業をスタートする前に料金・作業内容などの見積もりを出してもらうことがオススメです。あらかじめ費用や作業時間を把握しておくことで、支払いなどのトラブルを未然に防ぐことができます。
キーレスキーのトラブルに困ったら、出張鍵屋に相談するのが得策です
今や車の鍵として、日常生活にも欠かせなくなったキーレスキー。もしもキーレスキーが故障したり、どこかで落としてしまったりしたら、お住まいの場所の近くで活動する出張鍵屋に相談してみましょう。スタッフが素早く現場に駆け付け、トラブルを迅速に解決してくれます。
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