空き巣犯の侵入経路になりやすい「窓」の鍵の防犯対策について
暮らしの安心を脅かす「空き巣」。全国的にも後を絶たない空き巣の被害ですが、戸建住宅の空き巣犯で認知されている犯行のうち、半数以上が窓からの侵入だと言われています。
令和3年のデータによると、これは表の出入り口からの侵入のおよそ4倍の数で、玄関よりも窓の防犯対策が急務であることがよく分かります。
本ページでは、そんな窓に対する防犯対策についてご紹介します。具体的な対策方法やオススメの鍵商品・窓の鍵の防犯対策を相談する鍵屋の選び方についてもご案内いたしますので、空き巣対策をお考えの方は是非チェックしてみてください。
目次
空き巣犯に窓が狙われやすい理由とは?
空き巣犯は住宅への侵入経路として、玄関よりも窓を選ぶ傾向にあることは上で述べた通りです。では、空き巣犯に窓が狙われやすいのはなぜでしょうか?
植木や生け垣などの目隠しが、空き巣犯の隠れ場所になりやすい
第一の理由に、住宅の庭に目隠しとして植木や生け垣を置いている方が多いことが挙げられます。
植木や生け垣は、室内のプライバシーを守るための目隠しとして機能する一方で、空き巣犯にとっては身を隠す場所になりやすいことも。人の目を気にする空き巣にとっては、植木や生け垣に隠れることで、侵入のタイミングをうかがう余裕が生まれてしまうのです。
大きな掃き出し窓からは、人が出入りしていても違和感がない
ウッドデッキや庭・ベランダとつながる窓のことを「掃き出し窓」と呼びます。この窓は採光用・換気用として使われているほか、人の出入り口としても日常的に用いられていることでしょう。
足元から天井付近までの大きさがある掃き出し窓からは、人が出入りしていても違和感がありません。
住民以外の人がここから出入りしていても、通行人は特に違和感を持たないことが多いため、空き巣犯の侵入経路にも使われやすいことが指摘されています。
玄関や勝手口の鍵と比べて、窓の鍵の防犯性が低い
窓の鍵は、同じく住宅で採用されている玄関や勝手口の鍵と比べて、防犯性が低いことはご存知ですか?玄関や勝手口の鍵には、ディンプル錠に代表されるような、頑丈で不正開錠が難しい鍵が採用されています。ディンプル錠はこじ開けに強いだけでなく、ピッキングにも高い耐性を持っています。
一方、窓の鍵には「クレセント錠」や「グレモン錠」などの鍵が一般的。これらの鍵は、いずれも窓の防音性・密閉性を高めたり、冷暖房の効きを良くしたりする目的で取り付けられていて、防犯面では懸念があります。
もちろん、窓の鍵を外側から操作することは難しいものの、窓を割ってしまえば誰でも簡単に開け閉めできることにも注意しましょう。
窓の防犯対策はどんなことができる?
ここまで、空き巣犯に窓を狙われやすい理由をご紹介しました。では、肝心な窓の防犯対策について、ここから5つの方法に分けてご紹介してまいります。
①窓のガラスを割れにくい防犯ガラスに交換する
空き巣の手口として、外からハンマーやバーナーなどで窓の一部だけを割り、外から手を入れて鍵を開けて侵入する手法が増えています。その手口を防止するために、窓のガラスを割れにくい防犯ガラスに交換することが防犯対策として挙げられます。
割れにくい防犯ガラスに交換することで、このような空き巣の犯行を防げるだけでなく、地震や台風などの災害時にも安全性が保たれます。一方で、ガラスの交換には一般的に数万円から数十万円掛かるため、全ての窓を防犯ガラスに取り換えると合計でかなり高額になるのは避けられないでしょう。
②窓に防犯フィルムを貼り付ける
上で紹介したガラスの交換作業には、手間とお金が掛かるため敬遠される方も少なくありません。そんな方には、防犯ガラスに近い性能を手軽に得られる手段として、窓に防犯フィルムを貼り付ける方法をご提案します。
窓の防犯フィルムは、安価な商品であれば数千円からホームセンターで購入できるため、こちらを窓に貼ることで窓の耐久性を高めることができます。
なお、防犯フィルムは鍵のある部分だけに貼り付けると、貼られていない場所から割られてしまうことも。効果を十分に発揮するためには、面倒でも窓の全面に貼ることがオススメです。
③センサーライト・防犯カメラを取り付ける
窓ガラスの強化以外にも、センサーライトや防犯カメラを取り付けることは防犯対策に効果的です。動きに反応して光る人感ライトは、自分が通行する際に照らしてくれるため便利である他、夜間に狙われる空き巣被害の犯行抑止にもつながると言われています。
また、防犯カメラも同様に空き巣の犯行抑止になるだけでなく、万が一犯行が行われたときの犯人特定にもつながる証拠になります。
不審者の情報が地域で続いている場合などは、防犯カメラの設置を検討してもよいでしょう。
④窓に面格子やシャッターを取り付ける
アルミなどの素材の棒を等間隔で設けることで、人の侵入を防ぐことができます。これは一般に「面格子」と呼ばれ、多くの住宅の浴室の窓・小窓などに取り付けられています。面格子を外したのち、さらに窓の鍵を開けるのは手間が掛かるため、空き巣の抑止に効果的だと言えます。
なお、掃き出し窓のような大きな窓に面格子を取り付けると自分自身も通行できなくなってしまうため、この場合にはシャッターを設置することがオススメです。
長期で外出するとき・夜間などはシャッターを閉めておけば、防犯効果をさらに高めることができます。
⑤窓の鍵に補助錠を取り付ける
ここまで、窓を防犯ガラスに替えたり、面格子・シャッターを取り付けたりする方法をご紹介しました。 窓の防犯対策として設備をアップデートするという観点では、標準の鍵に加えて補助錠を取り付けることも有効です。
というのも、当初から取り付けられている鍵は防犯性があまり高くなく、空き巣被害を防ぐ上では不十分なことが指摘されているからです。
「具体的に、窓にはどのような鍵が取り付けられているか?」「窓に付ける補助錠として人気な商品はどんな鍵か?」の2点は、いずれもこの後でご紹介します。
窓にはどんな鍵が設置されている?
窓の防犯対策として、補助錠を取り付けることをご提案しましたが、そもそも窓にはどのような鍵が設置されているのでしょうか?
三日月型のクレセント錠は、標準的な住宅の窓でよく見られる
窓の鍵として代表的なのがクレセント錠です。英語で「三日月」を意味する名前の通り、クレセント錠は半円形の金具が特徴的な形状をしています。この半円部分を180度回すことで、窓をロックできる仕組みです。
クレセント錠に直接触ることができれば、鍵がなくても操作することが可能なため、窓の一部を割ることで開錠されるケースが多くなっています。
構造はシンプルで使いやすいクレセント錠ですが、住宅の安全を守る防犯性はいまひとつだと指摘されています。
レバーとロックが一体のグレモン錠は、工場などの施設に多い
クレセント錠とともに、窓の鍵として採用されているのがグレモン錠です。グレモン錠はレバーとロックが一体となっていて、クレセント錠よりも大きいものが一般的。
工場や商業施設・大型ビルなどを中心に多く設置されています。窓を隙間なくピタリと閉めることができるので、密閉性を求める施設ではクレセント錠よりもオススメの商品です。
窓の鍵の本来の役割は、密閉性・防音性を高めること
窓に設置されているクレセント錠・グレモン錠のいずれも、その本来の役割は密閉性を高めることにあります。建物の密閉性が高まれば、窓を閉めた時に外の騒音が気にならなくなったり、冷暖房を効率よく使用したりすることができます。
一方で、クレセント錠・グレモン錠は共通して、防犯面の心配が拭えないものです。内側から操作されてしまったら、誰でも簡単に鍵を開け閉めすることができるため、セキュリティを高めるなら補助錠を取り付けることが重要です。
設置タイプ別・窓に取り付けられる防犯錠3種
窓の鍵として取り付けられているクレセント錠・グレモン錠は、いずれも防犯面では懸念が生じるということをお伝えしました。では、窓の防犯性を高めるために、どのような防犯錠を取り付けるといいのでしょうか?
簡単に設置できる、圧着ストッパー式の防犯錠
最も簡単に取り付けられる窓の補助錠として、圧着ストッパー式の商品が挙げられます。窓のレールの隙間に差し込み、つまみを回すことで窓がスライドしないようにロックします。
この圧着ストッパー式の防犯錠のメリットは、鍵を簡単に外せること。外出時など必要なタイミングで設置し、使わない時にはしまっておくことができるため、その手軽さが人気となっています。
賃貸住宅でも手軽に取り付けできる、貼り付け式の防犯錠
窓枠やレール部分に貼り付けて、窓の開閉を制御できる防犯錠も人気です。強力な粘着テープで固定する商品が一般的ですが、穴開け工事をすることなく設置できるので、賃貸住宅でも使える点が支持されています。
また、防犯という観点では、外側から見えにくいように工夫されている商品も多くなっています。貼り付け式の防犯錠の取り付け自体は簡単ですが、万が一空き巣に狙われた時に果たす役割は大きいと言えます。
高いセキュリティが期待できる、鍵で操作する防犯錠
鍵を差し込んで操作するタイプの防犯錠は、上で紹介した2つの防犯錠と異なり、鍵を持っていなければ開け閉めすることができません。そのため、外から窓を割って手で操作したとしても、それだけでは開錠できないのが強みです
当然、自分自身も鍵が無ければ開錠できなくなるため、鍵を管理する煩雑さは伴うものの、安全面では最も評価できる防犯錠です。
窓の防犯錠は自分で取り付けられるか?
ここまで、窓に取り付けて防犯性能を向上させる鍵を、3つの種類に分けてご紹介しました。さて、これらの防犯錠は自分でも取り付けることが可能なのでしょうか?
取り外ししやすい防犯錠は、誰でも簡単に取り付けできる
圧着ストッパー式の防犯錠はもちろんのこと、貼り付け式の防犯錠も、老若男女問わず簡単に取り付けられることが魅力です。なお、貼り付け式の防犯錠は粘着テープが必要となりますが、多くの場合は商品に同梱されています。同梱されていなかった場合には、ホームセンターなどで購入しましょう。
購入時には、鍵のサイズや自分の用途と相違がないかを確認しておきましょう。いずれの防犯錠も、必要だと思う箇所に設置すれば、すぐさまその効果を発揮してくれます。
設置が簡単な防犯錠は、防犯面での心配が残る
圧着ストッパー式・貼り付け式の防犯錠は、いずれも手軽に取り付けられる反面、安全性には若干の懸念があります。それは、空き巣犯に窓を割られて外から操作されたら、どちらの防犯錠も簡単に開けられてしまうという懸念です。
もともと窓に付いているクレセント錠・グレモン錠と同様に開けられるなら、空き巣犯にとってこれらの防犯錠が、そこまでの脅威だとは言い難いものです。もちろん、それでも設置するに越したことはありませんが、せっかく付けるならより安全な防犯錠を検討するのがオススメです。
鍵が必要な防犯錠は、高い安全性があるものの設置が難しい
鍵を差し込んで操作するタイプの防犯錠は、内側から操作するためにも鍵が必要なため、防犯性は非常に高くなります。鍵を紛失すると面倒なので、あらかじめ複数個のスペアを用意しておき、家族で共有しておくとよいでしょう。
一方で、鍵が必要な防犯錠は、圧着ストッパー式・貼り付け式の防犯錠と比べると設置が難しい商品もあります。クレセント錠やグレモン錠に被せるように取り付ける防犯錠は、設置に失敗すると元の錠前すらも動かせなくなる恐れがあるので、心配なら鍵屋に相談するのがオススメです。
窓の鍵の防犯対策を相談する鍵屋の選び方
窓に防犯錠を取り付けるのは、タイプによっては自分で行うのが難しいことも。また、取り付けるべき防犯錠は、住宅の立地や周囲の環境・窓の構造によっても大きく異なります。 そこで最後に、窓の鍵の防犯対策を相談する鍵屋の選び方についてご紹介します。
鍵屋の営業時間
第一に、鍵屋の営業時間です。日中はお仕事や家事で忙しい方であれば、夜間や休日に出張してくれる鍵屋に相談するとよいでしょう。また、最近では24時間営業の鍵屋も増えているので、このような業者に依頼すれば、時間を気にすることなく相談が可能です。
スタッフの出張エリア
第二に、鍵屋のスタッフの出張エリアについても確認しておきましょう。鍵屋のホームページやチラシを参考に、現在地に駆け付けてもらえるかを調べます。合わせて、出張に掛かる費用もチェックしておくと安心です。
「窓 鍵 防犯対策 ○○(地名)」で検索するのもひとつの手です。上位にヒットした鍵屋であれば、ほぼ確実にスタッフをその場所へ派遣してくれるでしょう。
防犯対策に関する知識・作業経験の多さ
窓の鍵の防犯対策は奥が深いため、相談に乗ってくれるスタッフの知識・経験の多さも重要です。鍵のプロフェッショナルとして、空き巣犯の手口や狙いについても詳しく知っていれば、より適切な商品を提案することができます。
口コミサイト・ホームページなどで作業の事例をチェックし、窓の補助錠設置のサポート事例がある鍵屋に相談すれば、補助錠選びから取り付け・その後の使用方法やメンテナンスまで、安心して相談できるでしょう。
取り扱っている窓の鍵の種類の豊富さ
最後に、鍵屋で取り扱っている窓の鍵の種類です。メーカー各社が多くの鍵の新商品を発売しているため、鍵屋のスタッフも常に情報をアップデートしていかなければなりません。
新しい鍵も積極的に販売している鍵屋なら、依頼者の声を聞き、要望に合った鍵を取り付けられる可能性も高まるでしょう。
自分が設置したい鍵の取り付け作業を実施している鍵屋があれば、その鍵屋に相談するのが理想的です。あらかじめSNSやホームページなどで、自分の希望するタイプの補助錠の設置作業の実例が紹介されていないか、確認してみましょう。
窓の鍵の防犯対策なら、鍵のプロに相談するのが安心です
空き巣対策が欠かせない窓の鍵ですが、防犯対策をしたいのなら出張鍵屋に相談するのもひとつの策です。
鍵の専門家の視点から、ベストな防犯対策・補助錠の取り付けを行ってもらうことで、暮らしの安心を高めることにつながります。
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