自分で引き戸の鍵を後付けするやり方や、出張鍵屋の選び方について
省スペースでスッキリとしたデザインが人気を集めている引き戸は、近年その価値が見直され、住宅の様々な場所に設置されるようになりました。
また、設置から時間が経過した引き戸がある住宅からは、用途の変化とともに「鍵を取り付けたい!」という相談も増えています。
そこで、こちらのページでは引き戸の鍵の後付け方法をご紹介するとともに、作業時の注意点・鍵の後付けを相談できる鍵屋の選び方をご紹介。また、鍵の設置目的・鍵の種類などの基礎知識も合わせてご案内します。
目次
引き戸の鍵を後付けする目的
住宅の引き戸は、当初からその全てに鍵が取り付けられている訳ではありません。では「鍵を後付けしたい!」と相談する方には、どのような目的があるのでしょうか?
鍵屋によく寄せられるご相談から、3つの事例を紹介します。
子供のイタズラ・転落などの危険から守るため
引き戸の鍵を後付けする目的として多いのが「幼稚園児になるわが子の、危険なイタズラを防止したい!」「転落事故のリスクを減らしたい!」という内容です。
万が一の事故があってからは手遅れなので、あらかじめ鍵を取り付けておくことが望ましいです
犬や猫が逃げ出さないようにするため
最近では、都心部を中心としてペットを飼育している方が増えています。室内飼いをしている犬や猫などの動物は、地震やインターホンなど突然の物音に驚いて、逃げ出してしまうこともあるので要注意。
犬や猫が逃げ出さないようにするために設備を強化される方も多く、その一環として引き戸に鍵を取り付けたいと検討する方も後を絶ちません。大切な家族であるペットを守るためにも、きちんと対策をしておくことが安心です。
高齢者が徘徊するのを防止するため
ご高齢の方を自宅で介護されている場合には、徘徊対策として引き戸に鍵を取り付けるというケースも少なくありません。
認知症を持つ高齢者の方が徘徊してしまうと、発見や救出までに時間が掛かるケースも報告されていますが、このような事態を防止するために鍵を後付けするのが有効です。
近年では、一般の住宅はもちろんのこと、老人ホームや医療機関などの施設でも引き戸の鍵の新設・強化のご相談が増えているようです。防犯以外の目的でも、鍵が重要な役割を果たしている一例だと言えます。
引き戸の鍵の種類
ここまで、引き戸の鍵を後付けする目的についてご紹介しましたが、ここからは、代表的な引き戸の鍵の種類についてご紹介してまいります。
様々な理由で引き戸に鍵を付けたいとご検討される方がいらっしゃいますが、どのような鍵を取り付けるのが最適なのでしょうか?
ガラスケースや物置・戸棚に多い「プッシュ栓錠」
2枚の引き戸が重なる部分に取り付ける鍵を「召し合わせ錠」と呼びますが、プッシュ栓錠は召し合わせ錠の中でも代表的なタイプです。扉の外側から鍵を押し込むようにしながら施錠し、開錠時には鍵が必要となります。
基本的には外側からしか開錠・施錠ができないため、玄関・勝手口にはほとんど設置されていません。ガラスケースや物置・戸棚などの扉に多く見かけるタイプの鍵です。
細長い金具を差し込んで施錠する「ネジ締まり錠」
プッシュ栓錠とは逆に、内側からのみ開錠・施錠できるのがネジ締まり錠です。引き戸が重なる部分に穴を開けて、長さ5センチほどの細長い金具を差し込み、回転させることで開錠・施錠します。
ネジ締まり錠は内側からしか鍵を掛けられないため、玄関や窓・雨戸などの防犯錠に多く用いられています。築年数の古い住宅ではよく設置されていますが、こじ開けや破壊開錠に弱いことから、新しい住宅には採用されることが少なくなっています。
両方向からの開け閉めができる「万能引き戸錠」
プッシュ栓錠・ネジ締まり錠の「一方向からしか開錠・施錠できない」という弱点を解決したのが万能引き戸錠です。室内からはツマミを動かすことで開閉でき、外からは鍵を使って開け閉めできるため、開き戸のように鍵を使用することが可能です。
万能引き戸錠は、玄関の鍵として広く採用されています。ピッキング耐性の高いディンプルキーの万能引き戸錠もあるため、防犯対策を視野に入れた鍵交換のご依頼も増えています。
引き戸の中に錠前本体を収納する「掘り込み錠」
2枚の引き戸が重なる部分ではなく、戸当たりに取り付けられている鍵を「戸先錠」と呼びます。戸先錠の代表的なタイプである掘り込み錠は、その名前の通り、引き戸の中に作った空洞に錠前を入れるようにして設置します。
後述する面付錠とは違い、引き戸の中に鍵が収納されていることから、スッキリとしたデザインが人気。玄関に多く採用されています。一方、バールなどを使ったこじ開けに弱いため、防犯性では面付錠に劣るとされています。
外部からのこじ開けに高い耐性を持つ「面付錠」
室内側の戸当たり面に付けられる面付錠も、戸先錠の一種です。掘り込み錠とは異なり、錠前がすべて室内側に位置していて、不正開錠に強いことが人気の鍵です。
なお、面付錠は掘り込み錠とは違って、錠前がすべて室内側に露出しています。そのため、鍵選びにおいては面付錠の外観も重要なポイントになるでしょう。
引き戸の鍵を後付けする方法
ここからは、今までご紹介した引き戸の鍵を、実際に取り付けていく方法をご紹介します。
鍵の取り付けは手順に沿って進めることが鉄則ですが、もしも上手くいかない場合には無理矢理進めず、鍵屋のスタッフに相談するようにしましょう。
引き戸に設置する鍵を用意する
まずは、引き戸に設置する鍵を準備する必要があります。
鍵の機能性はさまざまですが、玄関の内側に取り付けてペットの安全を守るための鍵であれば、簡素な鍵でも十分かもしれません。
一方、子どものイタズラ・高齢者の徘徊防止のためであれば、簡単に操作できない鍵・着脱式のサムターンタイプの鍵を取り付けることがオススメ。
基本的な鍵であれば、いずれもホームセンターやネットショップで購入することが可能です。
鍵をどの位置に取り付けるかを決める
鍵を用意することができたら、取り付け場所について考えていきます。
こちらも目的によってベストな位置が変わりますが、取り付け場所が自由であれば、大人でなければ届かないような高い場所に設置するのが安心です。
あまりにも高い場所だと、ご自身で開け閉めするのが億劫になるため、低い位置でも問題ないような鍵を設置することもあらかじめ検討しましょう。
実際に引き戸の鍵を取り付ける
鍵の用意・設置場所の決定が済んだら、いよいよ実際に引き戸の鍵を取り付けていきます。
後付けできる引き戸の鍵は、取り付け方もさまざまですが、おおむね以下の3種類に分類することができます。
取り付け方① 粘着テープで鍵を固定する
粘着テープで張り付けることによって固定する鍵は、最も簡単に設置できる引き戸の鍵として知られています。壁に穴を開ける必要がないため賃貸住宅でも設置しやすく、一時的に取り付ける引き戸の鍵に人気です。
テープは基本的には鍵に同梱されていますが、自分で用意する必要があるのなら、強力なものを使うようにしましょう。
また、取り付け場所の汚れやホコリを落としてから貼り付けると、鍵が外れにくくなります。とは言え、長期間にわたって繰り返し使用すると、鍵が外れたり壊れたりすることがあります。
取り付け方② 小さな穴をいくつか開け、ネジで鍵を固定する
次に簡単な方法に、取り付けたい部分に小さな穴を開けて、ネジやビスなどで鍵を固定するタイプが挙げられます。
このタイプの鍵は、テープ式の鍵よりはしっかりと固定できるため、外れることが心配ならこちらを取り付けることがオススメです。 ただし、こちらのネジ式の鍵も強い力には弱く、大人が力を掛ければこじ開けられてしまうことがほとんど。
室内に取り付ける分にはあまり問題ありませんが、防犯の用途での取り付けには向いていないため気をつけましょう。
取り付け方③ 引き戸を貫通するような穴を開け、錠前を埋め込んで固定する
戸当たり部分に取り付ける戸先錠の中でも、序盤で紹介した「掘り込み錠」は、引き戸の中に錠前を埋め込むことで固定します。このタイプの鍵は、上の2つと比べて外れる心配がほとんどないため、半永久的に使用する見込みであればオススメです。
一方、もともと鍵がなかった引き戸に掘り込み錠を後付けするのであれば、錠前が入るような穴をドアに作る必要があるため、その手間は膨大になります。
穴が小さければ錠前を入れることができず、わずかでも大きいと錠前がグラついたり、隙間が生まれたりしてしまうので、掘り込み錠の設置はプロに任せることが推奨されています。
自分で引き戸の鍵を後付けするときの注意点
ここまで、ご自身の手で引き戸の鍵を後付けする方法をご紹介しました。合わせて、この作業における注意点をご紹介します。
取り付け時に、穴を開ける必要があるかどうかを確認しておく
数多ある引き戸の鍵を二分するのが、設置時に「穴を開ける必要があるかどうか?」という点です。
穴開けが必要な鍵は、賃貸住宅での取り付けを断られたり、許可・申請が必要となったりするケースがあります。ルールを破ると退去時に修繕費用を請求されることもあるので、あらかじめ確認しておきましょう。
「やっぱり違う鍵にしたい・・・」という理由で返品するのは難しい
「なんとなく引き戸の鍵を購入してみたけれど、届いた鍵がドアのサイズに合わない。まだ開封していないので、他の商品と交換したい!」という声もよく聞かれます。
さまざまな商品・メーカーや販売事業者があるため、断言することはできませんが、一般的に鍵の返品・交換はNG。
防犯の要である鍵は、中古品というだけで価値が大きく下がり、再度販売するのが難しくなるのがその理由だと言われています。鍵を選ぶ際には、きちんと機能や構造などを確認してから購入するのがポイントです。
取り付けに失敗すると、ドア本体の修理が必要になる場合もある
一見すると簡単そうに思える鍵の取り付け作業ですが、うまく設置できなかった結果、業者による追加作業が必要になるケースも少なくありません。
特に、ドアに穴を開けるタイプの鍵であれば、設置に失敗してドア本体を修理せざるを得なくなり、予定していた費用を大幅に上回った事例も。「安物買いの銭失い」にならないように、最初から地域の出張鍵屋に相談して、引き戸の鍵を取り付けてもらうのも一策です。
引き戸の鍵の後付けを任せる鍵屋を選ぶ4つのポイント
最後に、引き戸の鍵の後付けを鍵屋に依頼する場合、どのような点に注意して鍵屋を選ぶべきかをご紹介します。
引き戸の鍵の後付け作業を、今までにどれくらい実施しているか?
安心して鍵を取り付けてもらうために、これまでに同様の作業をどれくらい実施しているか確認することは大切です。ホームページで今までの作業例を掲載している会社であれば、引き戸の鍵の後付け作業の実例が紹介されていないか調べてみましょう。
営業時間や休日はいつか?
出張鍵屋の営業時間や休日も、鍵屋選びにおける重要なポイントです。公式ホームページやチラシなどを参考にして、依頼したい時間に営業しているかを確認しておきましょう。
最近では24時間営業している鍵屋もあるので、緊急時やすぐにでも鍵を取り付けたい場合には、昼夜を問わず営業している鍵屋に連絡するという手もあります。
出張エリアに自分の家が含まれているか?
鍵屋のスタッフは、基本的な出張エリアを定めて活動を展開しています。そのため、出張エリアをチェックすることも重要。
「引き戸 鍵 後付け ○○(市町村名)」などで検索すれば、近くで活動している鍵屋が上位に表示されます。
また、サイトには出張エリアの一覧表を掲載している鍵屋もあるので、そちらも確認しておけば安心です。
作業に掛かる料金はどれくらいか?
最後に、作業に掛かる料金についても確認しておきましょう。材料費と合わせて、出張費用や技術料金・その他手数料などを請求する鍵屋が一般的です。
多くの鍵屋ではホームページにも料金表を掲載していますが、それぞれの作業につき「10,000円~」など、最低料金を表示していることに注意しましょう。
不安であれば鍵屋のコールセンター等に連絡するか、現場に駆け付けたスタッフに見積もりを出してもらってから作業のスタートを見届けるのが確実です。
引き戸の鍵を後付けするなら、出張鍵屋に相談しましょう
タイプも機能性もさまざまな引き戸の鍵。出張鍵屋に連絡すれば、鍵の後付け作業はもちろんのこと「どんな鍵を取り付けるべきか?」という相談にも乗ってもらうことができるでしょう。
引き戸の鍵の後付け作業に不安な点があれば、地域で活動する鍵屋に依頼するのがオススメです。
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