南京錠の開け方・壊し方や、鍵屋に開錠を依頼する流れについて
あらゆる種類のある鍵の中でも、持ち運びに便利でシンプルな使い勝手に定評があるのが南京錠です。
大きさ・価格帯・メーカーもさまざまな南京錠は、屋内外問わず多彩な用途があるため、開け閉めしたことのある方は大勢いらっしゃるでしょう。
こちらのページでは、南京錠の基礎知識・鍵を紛失した時や暗証番号が分からなくなった時の開錠方法を紹介するほか、自分ではどうすることも出来なかった場合の対処法についてもご案内します。
目次
南京錠とはそもそもどんな鍵?
南京錠の鍵開け方法についてご案内する前に、そもそも南京錠とはどんな鍵のことなのでしょうか?歴史や基本的な使い方・メリットについてご紹介します。
紀元前500年ごろから、ローマ帝国で使われた形跡がある南京錠
南京錠の歴史は古く、紀元前500年ごろのローマ帝国で使用されていた形跡が残されていると言われています。2500年も前から変わることなく、建物の安全を守ってきたのでしょう。
なお「南京」という名称から中国で生まれた物だと思われがちですが、この名前は日本に渡来してきた際に付けられたものであり、必ずしも中国が発祥の地だとは言い切れません。近世の日本では珍しい舶来品に対して、中国を意味する「南京」の名を冠するのが慣例となっていたことから、この鍵にも南京錠と名付けられたという説が有力です。
持ち運びが可能で、誰でも簡単に使えるのがメリット
南京錠がここまで長い間、形を変えずに使われ続けてきた理由のひとつには、そのシンプルな機能性が挙げられます。
「施錠したい部分に掛け金を掛ける」「差し込んだ鍵を回すだけで開錠ができる」という仕組みは、万国共通で老若男女問わず認識されており、取り扱いについての説明も不要でしょう。
また、軽量で小さな南京錠は、持ち運びができるという点でも他の鍵と大きく異なっています。戸棚や物置にはもちろんのこと、自転車や旅行カバン・スーツケースなどに使う方を中心に、使用されるシーンは今後も多く見られる模様です。
開いている南京錠を施錠するだけなら、鍵が無くてもOK
他にも、数百円で購入できるリーズナブルさや、風雨にさらされるような屋外環境にも強い耐久性など、様々なメリットがある南京錠。
加えて「施錠時には鍵が要らない」という点も忘れられがちなメリットです。 掛け金を本体部分に差し込むだけで鍵が掛けられるため「先生が午前中に倉庫の鍵を開け、片付けを終えた子どもが午後に鍵を閉める」といった使い方をすることも可能。
これにより、ひとつの鍵を複数人で管理する必要がなくなり、鍵の紛失リスクを減らすことにもつながります。
代表的な南京錠の種類
南京錠にも複数の種類があることをご存知ですか?ここからは、南京錠の中でも代表的なものを、3つの種類に分けてご紹介します。
開錠するために鍵を差し込んで回す、シリンダー式の南京錠
鍵穴に鍵を差し込み「カチッ」と音がするまで回すことで開錠するのが、シリンダー式の南京錠です。南京錠といえば、このタイプをイメージされる方が多いでしょう。
安価な南京錠であれば100円ショップで購入できる一方、高品質で強固な耐久性が保証されている商品だと数万円するものもあり、値段の幅が広くなっています。設置場所や用途などを踏まえて、ベストな南京錠を選ぶようにしましょう。
鍵を紛失する心配が要らない、ダイヤル式の南京錠
シリンダー式の南京錠とは違い、正しい暗証番号に揃えることで開錠できるのが、ダイヤル式の南京錠です。こちらも数百円から購入できるため、メーカーを問わず日本国内で出回っている南京錠のタイプのひとつです。
ダイヤル式の南京錠は、暗証番号さえ分かれば開錠できるため、鍵を紛失して開けられなくなるというリスクが皆無です。何人かで開け閉めする鍵として使うのにうってつけで、従業員用の倉庫・ロッカーなど、商業施設にも多く採用されています。
暗証番号のボタンを押して入力する、プッシュ式の南京錠
暗証番号を入力するための数字が記載されたボタンが表面に付けられ、正しい順番で押すことで開錠できる南京錠もあります。このタイプの南京錠は、プッシュ式の南京錠と呼ばれることがあります。
プッシュ式の南京錠は、上で述べたダイヤル式の南京錠ほど種類は豊富ではないものの、番号を総当たりする手段での不正開錠には時間が掛かります。そのため、より高い防犯性を求める場所に設置される傾向があります。
南京錠が多く設置されている場所
ここまで、南京錠の歴史やメリット・種類についてご紹介しました。使い勝手の良い南京錠ですが、実際に設置されているのはどのような場所でしょうか?
物置・倉庫・郵便ポスト・宅配ボックスなど屋外の設備
最も多く南京錠を見かける場所は、屋外に置かれている物置や倉庫などの扉です。もともと鍵が設置されていないものの、防犯上の理由から鍵を取り付けたい場合に、南京錠は大きな役割を果たします。
また、防犯対策という訳ではなくても、イタズラなど迷惑行為の抑止力としても、南京錠を取り付ける方が大勢いらっしゃいます。
同様の理由で、郵便ポストや宅配ボックスにも南京錠が設置されています。機能性もさることながら、価格や大きさなども幅広い中から選べる点が、南京錠の人気を支えています。
スーツケース・旅行バッグなどのカバン
持ち運びに便利な南京錠は、スーツケース・旅行バッグなどのカバンに取り付けることも可能です。海外にはスリ被害の多発する街もありますが、このような街に訪れる際にはカバンの鍵が重要です。
また、外出先のホテルやロッカー・貴重品置き場などは、マスターキーで開錠される恐れもありますが、南京錠はこのような場所に取り付けることも可能。
カバンに付けておくだけで使い道が広がるため、お守りのようにして持ち歩く方もいらっしゃいます。。
貯金箱・戸棚・ロッカー・引き出しなど簡易的な入れ物
開けてほしくない引き出しやロッカーなどにも、南京錠を取り付けることがあります。特に、ダイヤル式の南京錠は鍵の紛失のリスクがないことから、簡易的な鍵としてピッタリ。
取り付けも簡単であることから、気軽に設置できる鍵として人気です。
開かなくなった南京錠の開け方3選
さて、ここからは実際の玄関のシリンダー交換の方法をご紹介します。鍵の機能における「要」であるシリンダーの交換は、次の①~④の手順に沿って、慎重・丁寧に進めるのが重要です。
その1 ヘアピンやクリップなどを使い、ピッキングして開ける
1つ目にご紹介するのはピッキングによる開錠です。これは、シリンダー式の南京錠に対して有効な方法です。
そもそもシリンダー式の錠前は、鍵穴の内部に「ピン」と呼ばれる機構が複数設置されています。
普段はピンが障害となって、鍵が回らないようになっていますが、対応する鍵を差し込むことで、それぞれのピンが正しい形に押し上げられます。こうして障害がなくなることで、鍵がスムーズに回るようになるのです。
ピッキングとは、先端の細長い金具を鍵穴に差し込み、ピンを正しい形に押し上げて開錠する手法のこと。ピックやテンションレンチなどの特殊な工具が必要ですが、身の回りにあるヘアピン・クリップで代用できることもあります。ペンチなどを使い、先端が細くなるように加工を施してから、鍵穴に差し込みましょう。
1つのピンを正しい形に押し込むと「カチッ」と音がするため、その音や手応えを頼りに作業を進めることが成功への近道です。また、鍵の形をイメージできれば、あたかもその鍵が挿入されている時のようにピンを動かすことで、南京錠を開錠できます。
その2 U字の部分を引きながらダイヤルを動かし、感触の違いを探って開ける
ダイヤル式の南京錠であれば「さぐり」と呼ばれる手法でも、鍵を開けられるケースがあります。南京錠のU字の部分を片手で引きながら、もう片方の手でダイヤルをひとつずつ回し、その感触や手応えを頼りに正しい番号を導きます。
ピッキングとは異なり、鍵本体に傷を付けず開錠できることが「さぐり」の大きなメリットです。しかしながら、南京錠は他の鍵と比べるとサイズが小さく、手応えも小さくなりがちなため、作業には繊細な技術や経験が求められます。
その3 暗証番号を総当たりし、全ての番号を試して開ける
ダイヤル式・プッシュ式の南京錠が開かない場合には、暗証番号を総当たりしてみるというのもひとつの手段です。すべての番号を入力すれば、故障していない限り必ず鍵を開けることができます。
総当たりとは言っても、暗証番号が0~9の数字で3桁の場合には1,000通り、4桁の場合には10,000通りのパターンがあります。
1つの番号につき5秒掛かると見積もっても、3桁ならおよそ1時間半、4桁になると14時間近く要する計算となります。鍵のタイプや桁数によっては、あまり現実的な手段だとは言えないでしょう。
それでも南京錠が開かない時には?
ここまで、開かなくなった南京錠の開け方を3つに分けてご紹介しました。では、これらの方法でも南京錠が開けられない時には、どうすればよいでしょうか?
スパナやハンマーなどを使用し、南京錠を破壊して開ける
まず、南京錠を破壊して開けるという強硬手段があります。南京錠は手軽に購入できるため、開かない鍵は壊した上で、新しいものに取り換えてしまうという考えです。
具体的には、南京錠のU字型の部分をハンマーで狙って叩き壊すか、2つのスパナをU字型の部分に差し込み、テコの原理でこじ開けるという方法が取られます。特に、真鍮製で5センチほどの小さな南京錠であれば、この手法で開けることができるでしょう。
南京錠を破壊する際には、特に安全に気を付けることが重要です。軍手やゴーグルなどを装着し、周囲に人がいない場所を選んで作業するようにしましょう。この方法でも開けられなさそうだと感じた場合には、業者に依頼することをご提案します。
町の鍵屋に南京錠を持参して、その場で開けてもらう
持ち運びができるという南京錠の特性上、町の鍵屋へ持参し、その場で開錠作業を行ってもらうという解決策が考えられます。ターミナル駅の周辺や商業施設の中・繁華街などにある鍵屋であれば、その多くが作業を請け負ってくれるでしょう。
注意すべき点の1つ目は、施錠した鍵が動かせない時には、この手段を選べないという点です。倉庫や物置・ポストの南京錠は、この状態に当てはまりがち。この場合には鍵屋のスタッフに出張してもらわざるを得ません。
2つ目の注意点は、鍵屋には営業時間があるという点です。店舗型の鍵屋が24時間営業であることは稀で、10時~19時などの営業時間が定められていることが一般的。
また、たとえ営業時間内であっても、受付時間が別に定められている場合もあるため、あらかじめ調べた上で南京錠を持参することがオススメです。
出張鍵屋のスタッフに依頼し、現場に呼んで開けてもらう
第三に、出張鍵屋のスタッフに来てもらい、その場で南京錠の開錠を行ってもらうという方法が挙げられます。この方法であれば、施錠されている南京錠が動かせなくても問題ありません。
また、出張鍵屋の中には24時間営業している業者もありますが、そのような場合には営業時間の心配も要りません。
注意すべきなのは、鍵の開錠費用に加えて、現場に来てもらうための出張費用が掛かるという点です。ホームページやチラシなどを参考にして、出張費用がどれくらいになるかを確認してから相談しましょう。
南京錠を開けてもらう出張鍵屋の選び方
ここからは、業者に南京錠を開けてもらおうとするとき、出張鍵屋を選ぶ上で注目すべき点をご紹介します。
鍵屋の営業時間
前述の通り、まずは鍵屋の営業時間を確認しましょう。24時間体制で活動を続けている鍵屋であれば、深夜や早朝に依頼するのも安心です。
また鍵屋によっては、営業時間内であってもスタッフが別エリアで作業対応している場合などには、出張まで時間が掛かるケースがあります。電話やメールなどで作業を依頼する際に、どのくらいの時間で駆け付けてもらえるか、目安の時間を聞いておくと安心です。
作業経験の多さ
他店では破壊開錠しかできないと言われた南京錠も、経験のあるスタッフならピッキングで壊さず開けられる場合があります。鍵の種類やトラブルの原因などケースバイケースではありますが、経験豊富な鍵屋に任せた方が、希望に合った作業を行ってもらえる可能性が高まります。
自社のホームページやTwitterなどのSNSを参考に、鍵屋の作業事例について調べてみましょう。口コミサイトに掲載されている利用者の声も、参考になる場合があります。。
作業に掛かるおよその費用
作業に掛かる費用も、鍵屋を選ぶ上での重要なポイントです。サイトに掲載されている料金表を参照して、その目安を確認しておきましょう。
なお、料金表には「10,000円~」など、最低料金を掲載する書き方が一般的。あくまでも、費用は最安料金の目安であることに注意しましょう。実際の作業時には、駆け付けたスタッフの方にあらかじめ見積もりを出してもらうと安心です。
南京錠が開かない時には、出張鍵屋に相談するのもひとつの手立てです
ここまで、南京錠が開けられなくなった場合の対処法についてご紹介しました。 使い勝手の良い南京錠ですが、鍵の紛失や故障などのトラブルが原因で開かなくなるケースもしばしば。もしもの時には鍵屋のスタッフに相談し、現場へ駆け付けてもらうことが得策です。
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