ディンプルキーの魅力と交換方法をご案内
安全性が高い鍵の筆頭であるディンプルキー。
新しい戸建て住宅やマンションなどの玄関のほとんどに採用されており、その防犯性能の高さが支持されていることが分かります。
本ページでは、そんなディンプルキーの安全性の理由から、設置するメリット・鍵の交換作業の流れを網羅的にご紹介します。
目次
ディンプルキーとはどんな鍵か?
そもそも、ディンプルキーとはどのような鍵を指すのでしょうか?
ディンプルとは、英語で「くぼみ」を表す言葉です。ここからも分かる通り、表面に小さな凸凹があるのがディンプルキーと呼ばれる鍵です。
鍵の表面の凸凹が鍵穴の中の形状にピタリと合致することで、鍵が回せるようになります。
東京都内で認知されたピッキングが1.1万件を超えた2000年以降、空き巣対策が急がれる中で注目されたのがディンプルキーです。
ディンプルキーは、当時多くの住宅で用いられたディスクシリンダーキーよりもピッキングが難しいことから、全国的に普及するようになりました。
ディンプルキーが設置される場所
では、ディンプルキーはどのような場所に取り付けられているのでしょうか?
玄関
防犯性能を重視して作られたディンプルキーは、ピッキングが非常に困難。さらに、バンピングや破壊開錠と呼ばれる不正開錠にも強い耐性があります。
そのため、最も出入りの多い玄関の鍵として使用するのにも打ってつけ。
玄関の鍵交換・新しい鍵の設置の際には、90%を超える方がディンプルキーや電子錠を選んでいるとも言われ、そのシェアは今後もさらに高まると見られています。
金庫
不正開錠の難しいディンプルキーは、金庫の鍵としても多く採用されています。
貴重品を管理するための金庫は、頑丈さや安全性が何よりも求められるもの。
逆に言えば、ディンプルキーは金庫メーカーからもお墨付きの鍵だと言えるでしょう。
ダイヤルロックや電子錠などと併用することで、金庫のセキュリティを守る役目を果たしています。
自転車
2022年に全国で発生した自転車窃盗の件数は、認知されているだけで10.6万件を超えています。
ここ数年では減少傾向にあるものの、未だに各地で自転車の盗難が相次いでいると言えるでしょう。
近年では、自転車に設置するタイプの小型ディンプルキーも増えています。
短時間での鍵の破壊・複製が難しいことから、自転車窃盗の犯罪抑止にも効果が期待されています。
ディンプルキーのメリット
あらゆる場所に設置されているディンプルキー。
では、ディンプルキーを取り付けることによるメリットは何でしょうか?
ディンプルキーの強みであるピッキング耐性の高さ
ディンプルキーの最大の魅力は、何と言ってもピッキングに強い耐性があることです。
鍵穴内部の構造が従来品よりも複雑になっているため、細い工具(ピック)での開錠はほとんど不可能。
また、仮にピッキングできたとしても、開錠には普通の鍵の数倍~数十倍の時間が掛かるものがほとんど。
短時間での侵入を狙っている空き巣犯も歯が立たないため、防犯性の高さにつながっているのです。
合鍵を作成するのが困難なディンプルキー
ディンプルキーはくぼみの大きさ・深さのバリエーションが多く、配列パターンが1000億を超える鍵もあります。
そのため、鍵山のパターン数が限られているディスクシリンダー・ピンシリンダーなどの鍵と比べて、鍵の複製は困難。
腕利きの鍵屋でも対応できなかったり、専用の機械を使わなければ作れなかったりするケースがあります。
さらに、ディンプルキーの中には、IDやパスワードなどの情報が無ければ合鍵が作れないものもあります。
所有者以外の合鍵作成を不可能にすることで、防犯性を保てるようにメーカーが努めているのです。
リバーシブル式で使い勝手が良いディンプルキーも多数
鍵山の形が上下で異なるディスクシリンダー錠のような鍵では、鍵を差し込もうとしても上下が反対でうまく入らず、上下を変えて差し直すことがあります。
しかし、リバーシブルのディンプルキーであればどちらの向きでも挿入できるため、その心配はありません。
挿入時の煩わしさがなくなるだけでなく、鍵に余計な負荷を掛けずに済むため、鍵の劣化・破損の防止にもつながります。
ディンプルキーのデメリット
たくさんの長所があるディンプルキーですが、設置する上では注意すべき点も。
ここからは、ディンプルキーを取り付けることのデメリットをご紹介します。
ディンプルキーを紛失した時の鍵開けが大変
ディンプルキーの防犯性が高いことは前述した通り。
それは裏を返せば、鍵を失くした時に開けるのが大変であることも意味します。
安価な鍵であれば、鍵のプロなら数分で開けられることもありますが、ディンプルキーの鍵開けは短時間ではできないケースも。
紛失に備えて、信頼できる家族・知人に鍵を預けておくこともひとつの手です。
いずれにせよ、鍵がない状態から自分で開錠するのは不可能なので、紛失した時には鍵屋に相談しましょう。
他の鍵と比べてディンプルキーは高価
防犯性能が高いディンプルキーの2つ目のデメリットは、鍵自体の価格が高価であることです。
一般的な鍵は数千円から数万円程度ですが、ディンプルキーであれば1万円から数万円程度・高額なものは数十万円にもなります。
鍵の開錠・合鍵の作成も同様で、他の鍵より高い作業料金が掛かるケースがあります。
もちろんこれは、ディンプルキーの安全性が高いことを意味します。
確かな防犯性能に裏付けされた価格であるため、高級品になることはやむを得ないでしょう。
ディンプルキーを取り扱う代表的なメーカー
機能性が評価されるディンプルキーは、多くの鍵メーカーが製造や販売を行っています。
ここでは、ディンプルキーを取り扱っているメーカーのうち、代表的な会社をご紹介します。
美和ロック
1945年に設立された美和ロックは、国内シェア60%を超える鍵メーカーです。
世界的にもその防犯性の高さが認知され、海外の約50か国でも製品が使用されています。
2000年代以降、ピッキング被害が全国各地で多発した際には、その対策の先駆けとしてディンプルキー開発に取り組みました。
現在でもPRシリンダー・JNシリンダーをはじめ、さまざまなディンプルキーを製造しているほか、スマートロック・カードキーなど電子錠の製造にも力を入れています。
GOAL
1914年に「大阪白玉錠製作所」として、大阪市福島区にて産声を上げたGOAL。
特に関西エリアでのシェアが高い同社は、日本で初めてピンシリンダー錠を国産化・米国UL防犯規格の認定を取得しました。
1997年には、独自開発として日本初となるリバーシブルディンプルキーを製造しました。
鍵違い数1000兆を超えるGVシリンダーや、安価に購入できるGPシリンダーなど、機能性や価格帯も幅広いディンプルキーを作り出しています。
アルファ
1923年に創業したアルファは、古くから日産・トヨタなどの自動車キーセット製造に注力した鍵メーカーです。
1964年には日本初となるコインロッカーの製造・販売を開始し、現在でも多くの駅やレジャー施設などに、同社のコインロッカーが設置されています。
同社の代表的なディンプルキーであるFBロックは、先端にフローティングボールを内蔵していて、合鍵作成や不正開錠を極めて困難にしています。
また、FBロックは美和ロックの錠前との互換性もあるため、メーカーの異なる鍵の交換も容易になっています。
ディンプルキーへの交換方法
いよいよ、ここからはディンプルキーへの交換方法についてご紹介します。
①ドアやフロントプレートの大きさを測る
実際の交換作業に入る前段階として、取り付けられる鍵を用意するため、必要箇所の寸法を測る必要があります。
測っておくべき寸法は、以下の通りです。
・ドアの厚さ
・扉側面の金属板(フロントプレート)の縦・横の長さ
・フロントプレートを固定する2つのビスの距離(ビスピッチ)
・ドアの側面からシリンダーの中心までの距離(バックセット)
この4つを測定しておくことで「シリンダーのサイズが合わない!」というトラブルを予防しましょう。
②ディンプルキーのシリンダー・工具を用意する
取り付け可能なシリンダーを確認したら、その中から設置したい商品を選んで購入しましょう。
鍵メーカーのオンラインストアやホームセンター・ネットショップ等で手に入れることができます。
また、鍵交換には工具が必要です。
フロントプレートを外すためのプラスドライバーのほか、シリンダーを固定しているビスを抜くためにはマイナスドライバー・ペンチなどがあると便利でしょう。
③現在使用しているシリンダーを外す
シリンダーや工具を揃えることができたら、いよいよ実際に交換作業のスタートです。
扉側面のビスをプラスドライバーで外したら、フロントプレートを取り外し、扉に差し込まれている数本のピンを抜き取ります。
すべてのピンを抜くとシリンダーが外れるようになるため、片手でシリンダー部分を押さえながら作業しましょう。
④新しいディンプルキーのシリンダーを取り付ける
シリンダーを外すことができたら、③と逆の流れで新しいシリンダーを設置します。
新しいシリンダーを扉に挿入した状態でピンを差し込み、外してあったフロントプレートをビスで固定したら作業は完了です。
自分でディンプルキーに交換できるか?
ここまで、ディンプルキーへの交換の流れをご紹介しました。
では、初心者でも自分の力だけで、実際に鍵の交換を行うことは可能なのでしょうか?
正しい手順と方法で行えば、自分で交換できる
互換性のあるシリンダーを正しく選び、手順・方法を間違えることなく作業を進めることができれば、理論上は誰でも鍵交換ができます。
しかし、知識ゼロの状態から鍵選びをする手間や、鍵の取り寄せに時間が掛かることにも注意しましょう。
また
「せっかく購入した鍵が、サイズ違いで設置できない・・・」
という場合、安全性が重視される鍵という商品の特性上、多くのケースで返品を断られてしまいます。
一歩間違えると鍵やドアを破損するリスクがある
自分での鍵交換において他に注意したいのが、鍵やドアの破損です。
シリンダーを交換する際に鍵を壊してしまうと、業者が修理に来てもらうまで数日を要することも。
施錠できない状態が続けば、その間は外出もままなりません。
また、万が一ドアを破損してしまうと、修理ができなければドアまるごとの交換を強いられます。
保険が適用できず高額な費用が掛かった事例もあり、無理に自力で作業をしない方が得策だと言えるでしょう。
ディンプルキーに交換してもらう鍵屋の選び方
ディンプルキーへの交換は決して簡単ではないもの。
もしも上の流れに従っても鍵の交換ができなかった場合には、鍵屋のスタッフに相談することが賢明です。
ここでは、鍵屋の選び方のポイントを4つに分けてご案内します。
鍵屋の営業時間
24時間営業している鍵屋もあるため、相談する時間によっては安心して依頼することができます。
もしも
「今すぐディンプルキーに交換したい!」
「平日は仕事なので、休日に出張してほしい・・・」
とお考えなら、鍵屋の営業時間をチェックしましょう。
出張エリア
依頼する場所が、鍵屋のスタッフの出張エリアに含まれているかも重要なポイント。
インターネットで
「ディンプルキー 交換 ○○(地名)」
と検索すれば、そのエリアで作業している鍵屋が上位に見つかります。
取り扱っているディンプルキーの多さ
一口に「ディンプルキー」といっても、機能性や価格帯・メーカーなど多岐にわたるものです。
在庫に偏りのある鍵屋に相談してしまうと、理想的な鍵に交換してもらえないかもしれません。
ホームページで紹介されている作業事例や、SNS・口コミサイトをチェックして、取り扱っているディンプルキーを調べてみましょう。
交換したい鍵を取り扱っている会社なら、その旨を伝えることでスムーズに作業が進むかもしれません。
作業に掛かる費用
最後に、作業費用にも注目です。
鍵の交換には材料費用のほか、技術料金や出張費用などが掛かるもの。
いずれも5千円から数万円程度になりますが、作業内容や出張距離に応じて上下します。
ホームページの料金表を参考にするほか、スタッフの方が出してくれる見積もりを踏まえて判断しましょう。
ディンプルキーへの交換は、鍵屋に任せて安心です
防犯性の高いディンプルキーは、今後もさらに需要が高まると見られています。
鍵交換は手間が掛かるものですが、費用が多く掛かるとしても鍵屋に相談することが確実。
プロの手に交換作業を任せて、暮らしの安心を手に入れましょう。
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