引き戸の鍵の交換にまつわるお悩みやご不明点を解決

開閉時に余計なスペースを取らないことや、弱い力で開け閉めできる「引き戸」。近年では、住宅のドアとして高い人気を誇っています。

引き戸の鍵は、ドアノブやレバーが付いている「開き戸」の鍵と構造や取り付け方法が異なりますが、こちらのページでは、そんな引き戸の鍵についてご紹介していきます。

引き戸はどんな所に設置されている？

開き戸を設置するためには、ドアの開く範囲に約1メートル四方のスペースが必要となりますが、引き戸であれば戸を引き込むための細長いスペースがあれば十分。

そのため、近年の都心住宅のような、土地の少ない場所との相性が良いとされています。

また、車椅子に乗った状態でも開け閉めがしやすいため、バリアフリーにしたい場所にも引き戸は多く設置されています。

軽い力で開閉できる引き戸は、ご高齢の方だけでなく、小さなお子様や子育て中の方からも支持されています。

代表的な引き戸の鍵の種類

さまざまな場所に設置されている引き戸は、その鍵の種類も多種多様。

ここでは、その中でも代表的なタイプの鍵をご紹介します。

プッシュ栓錠

2枚の引き戸が重なる部分に取り付ける鍵を「召し合わせ錠」と呼びますが、プッシュ栓錠は召し合わせ錠の中でも代表的なタイプです。

扉の外側から鍵を押し込むようにしながら施錠し、開錠時には鍵が必要となります。

基本的には外側からしか開錠・施錠ができないため、玄関・勝手口にはほとんど設置されていません。
ガラスケースや物置・戸棚などの扉に多く見かけるタイプの鍵です。

ネジ締まり錠

プッシュ栓錠とは逆に、内側からのみ開錠・施錠できるのがネジ締まり錠です。

引き戸が重なる部分に穴を開けて、長さ5センチほどの細長い金具を差し込み、回転させることで開錠・施錠します。

ネジ締まり錠は内側からしか鍵を掛けられないため、玄関や窓・雨戸などの防犯錠に多く用いられています。

築年数の古い住宅ではよく設置されていますが、こじ開けや破壊開錠に弱いことから、新しい住宅には採用されることが少なくなっています。

万能引き戸錠

プッシュ栓錠・ネジ締まり錠の「一方向からしか開錠・施錠できない」という弱点を解決したのが万能引き戸錠です。

室内からはツマミを動かすことで開閉でき、外からは鍵を使って開け閉めできるため、開き戸のように鍵を使用することが可能です。

万能引き戸錠は、玄関の鍵として広く採用されています。
ピッキング耐性の高いディンプルキーの万能引き戸錠もあるため、防犯対策を視野に入れた鍵交換のご依頼も増えています。

掘り込み錠

2枚の引き戸が重なる部分ではなく、戸当たりに取り付けられている鍵を「戸先錠」と呼びます。

戸先錠の代表的なタイプである掘り込み錠は、その名前の通り、引き戸の中に作った空洞に錠前を入れるようにして設置します。

後述する面付錠とは違い、引き戸の中に鍵が収納されていることから、スッキリとしたデザインが人気。
玄関に多く採用されています。

一方、バールなどを使ったこじ開けに弱いため、防犯性では面付錠に劣るとされています。

面付錠

室内側の戸当たり面に付けられる面付錠も、戸先錠の一種です。

掘り込み錠とは異なり、錠前がすべて室内側に位置していて、不正開錠に強いことが人気の鍵です。

なお、面付錠は掘り込み錠とは違って、錠前がすべて室内側に露出しています。

そのため、鍵選びにおいては面付錠の外観も重要なポイントになるでしょう。

引き戸の鍵を自分で交換する方法

では、実際に引き戸の鍵を自分で取り換える方法についてご紹介します。

①今の引き戸に取り付けられる鍵を用意する

まずは、現在の引き戸に取り付けられる鍵のサイズを調べる必要があります。メジャーを使って、以下A～Dの長さを計測しましょう。

そして、これらに合うサイズの鍵を用意します。ホームセンターやネットショップなどで鍵を探しましょう。

もともとの鍵と同じメーカーの同じ鍵を購入すると、互換性があり比較的簡単に鍵を取り付けられるため、作業に不安がある方にはオススメです。

②今の引き戸に付いている鍵を外す

新しい鍵を用意できたら、現在の引き戸に付けられている鍵を取り外します。

室内側からプラスドライバーでネジを回し、錠前を引き抜きましょう。

③新しい引き戸の鍵を取り付ける

以前の錠前を外すことができたら、逆の流れで新しい錠前を取り付けます。

穴の大きさに対して錠前が大きければ、ヤスリを使用することでうまく取り付けられるように微調整します。

化粧座を取り付け、ネジを締めて、元のように鍵を開け閉めできるか確認しましょう。

引き戸の鍵を業者に設置・交換してもらう

引き戸の鍵の交換についてご紹介しましたが、初心者の手での実際の作業は、なかなか一筋縄ではいかないもの。

もしも上手くいかなかった場合には、鍵の専門業者に相談しましょう。

プロの手に任せられる安心感が業者のメリット

「業者に依頼すると費用が高くなるのでは・・・？」
という声もありますが、専門業者に依頼することのメリットは、何と言っても安心感があること。

鍵に精通している熟練のスタッフに、要望のヒアリングから商品選び・取り付けまで一貫して任せることができます。

毎日使う鍵だからこそ、プロの手できちんと確実に交換してもらい、暮らしの安心と安全を守るべきでしょう。

鍵の出張業者を選ぶポイント

では、実際に引き戸の鍵交換を業者に任せる際、どのように鍵屋を選べばよいでしょうか？

スタッフの出張エリア

まずは、鍵屋のスタッフがご自宅まで出張してくれるかどうかを確認しましょう。
「引き戸 鍵 交換 ○○(地域名)」で検索すれば、近くの鍵屋が上位にヒットします。

遠方の鍵屋であっても出張対応してくれることがありますが、出張エリア外であれば追加料金を請求されることも。

費用を安く済ませるために、近くの鍵屋に相談することがベターです。

鍵屋の営業時間

とりわけ、早朝や深夜・休日に鍵交換を実施してもらいたい場合には、鍵屋の営業時間も合わせて確認しておきましょう。

日中のみ営業している鍵屋もあれば、24時間365日活動している鍵屋もあります。

作業に掛かる費用

次に、引き戸の鍵交換に掛かる費用です。

ホームページに料金表を掲載している鍵屋や、フリーダイヤルでの相談窓口を設置している鍵屋があるため、それぞれ確認することができます。

あくまでも作業料金は目安で、現場でスタッフが見積もりを出すまで、正確な費用が確定しないことに注意しておきましょう。

引き戸の鍵の商品の豊富さ

引き戸の鍵は、開き戸の鍵よりも商品の種類が少ないもの。

ホームページや口コミサイトの作業例を基に、在庫の豊富さもチェックしておくことが安心です。

あまりに在庫の種類が乏しい鍵屋であれば、狭い選択肢の中から引き戸の鍵を選ぶことになりかねません。

鍵の設置・交換作業の実績の多さ

最後に、引き戸の鍵交換の作業実績の豊富さです。
特に、引き戸の鍵は古いタイプも多いため、作業実績や経験の多さがスタッフの技術の高さに直結します。

SNSやレビューサイトを調べ、経験豊富な鍵屋に依頼するのが賢明だと言えるでしょう。

引き戸の鍵の設置・交換のご相談例

最後に、引き戸の鍵の交換や設置作業における、よくある相談内容の例を紹介します。

穴開けせずに引き戸の鍵を取り付けたい時は粘着テープ式の鍵を選ぶ

「引き戸に鍵を付けたいけれど、賃貸なので穴は開けたくない！」
というご相談が多く寄せられています。

基本的な引き戸の鍵は、穴を開けてネジで取り付けることが必須ですが、このような場合には強力な粘着テープで取り付けられる鍵が人気です。

誰でも手軽に取り付けられることが魅力の、粘着テープ式の引き戸錠ですが、長年使用していたり、力を込めて開けようとしたりすると外れてしまうことも。

玄関や窓など強固なセキュリティを求められる場所ではなく、脱衣所やトイレなどプライバシーを守りたい場所で使用することがオススメです。

引き戸の鍵紛失を予防したい時はキーレス錠に交換する

「玄関の引き戸の鍵を紛失した・・・」
というトラブルを防止するためには、そもそも物理キーを用いない鍵が人気です。

キーレス錠と呼ばれるタイプの鍵には、テンキー式やダイヤル式・指紋認証式のものもあり、引き戸に設置できる商品も近年増加しています。

元々使用していた引き戸の鍵とキーレス錠では、構造が大きく異なるものもあるため、設置にはある程度の知識や経験が求められます。

一歩間違えると鍵を壊してしまう恐れもあるため、鍵屋のスタッフに相談することが確実でしょう。

引き戸に取り付ける鍵がわからない時は鍵屋へ相談

「そもそも、引き戸にどんな鍵を取り付ければいいの？」
とお困りの時には、鍵の専門業者の出番です。

さまざまな特性を持っている鍵の中から、ご要望や予算などに合った商品を提案してもらいましょう。

インターネットでは得られない有益な情報や、鍵商品ごとのメリット・デメリットを知ることができるかもしれません。

引き戸の鍵の修理・設置や交換は鍵屋に任せて安心です

一口に「引き戸の鍵」といっても、その種類や特性は千差万別。設置する場所や目的によって、ベストなタイプの鍵は異なるものです。

もしも引き戸の鍵の交換や、修理・設置をご検討しているなら、鍵の専門家の視点からサポートしてもらうため、まずは地域の鍵屋に相談してみましょう。