自分で鍵交換の方法や費用、交換が難しい時の対処法を解説
建物のドアや倉庫など、あらゆる場所に設置されている鍵。その種類や機能性は千差万別ですが、共通してセキュリティの「要」という重要な役割を担っています。
今回は、ご自身での鍵交換の方法・業者に依頼した時の費用の目安などをご紹介いたします。これを参考にして、鍵交換を行ってみてください。
目次
鍵の交換が必要になるのはどんな時?
鍵は出掛けるときなどに必ず使用するものだからこそ、知らず知らずのうちに劣化が進んでいるもの。
ある日突然使えなくなるケースに備えて、長年にわたり使用している鍵は、定期的に新しいものに交換することがオススメです。
また、次のような事態が発生したときにも、鍵の交換を実施される方がほとんどです。
鍵を紛失した・盗難に遭ったとき
鍵をどこかで落としてしまったり、鍵の置き引きや窃盗に遭ったりしたときは、鍵の交換をオススメするタイミングです。
なぜなら、紛失・盗難に遭ったあなたの鍵を誰かが悪用することで、空き巣の被害に遭う危険性があるからです。
もしも「家の鍵を失くしたけれど、合鍵があるから大丈夫!」とお考えでしたら、空き巣のリスクから身を守るためにも、早期に鍵を交換することが重要。
鍵交換を実施することで、紛失した古いほうの鍵は使えなくなるため安心です。
鍵の防犯性能を高くしたいとき
日進月歩の進化を続けている鍵。新しい鍵は天文学的な数のパターンがあることでも知られ、その不正な開錠は非常に困難になっています。
同様に、空き巣犯による鍵の開錠手段も、日々その進化が進んでいる模様。数十年前に最新式だった鍵は、現在の空き巣犯の手に掛かれば数分で開けられる場合もあると言われています。
特にディスクシリンダー錠・ピンシリンダー錠と呼ばれるシンプルな構造の鍵は、鍵穴に工具を差し込んで開錠する「ピッキング」という手段での開錠に弱いため、もしも同タイプの鍵をご使用されていたら交換を強くオススメします。
離婚・同棲を解消するとき
同居している配偶者・恋人とは、合鍵をシェアすることがほとんどだと思われますが、その別れにともなって鍵の交換を検討される方も大勢いらっしゃいます。
関係を解消する際に相手から鍵を返却されても、相手があらかじめその鍵のスペアを作製していれば、無断での侵入が可能となるもの。念には念を入れて鍵を交換することで、そのあとの暮らしに安心がもたらされます。
社員などが会社の鍵を返却せずに退職したとき
金品や個人情報などを扱う会社では空き巣被害にも警戒が必要ですが、内部のスタッフによる犯行も少なくないと言われています。
もしも社員やアルバイトなどのスタッフが、貸与されていた鍵を返却することなく退職してしまったら、鍵を交換しておくことが賢明でしょう。
また、頻繁にスタッフの方が入れ替わる場所では、その度に鍵を交換することは手間になるもの。簡単にロックナンバーを変更できる暗証番号式の鍵や、ICカード・指紋などを登録する電子式の鍵に交換することもひとつのアイデアです。
自分での鍵の交換の方法
ここからは、実際に自分で鍵を交換する際の方法や、必要な道具についてご紹介していきます。
また、鍵交換が自分で出来ないケースも合わせてご紹介します。
鍵のシリンダー交換ができる場合
シリンダーは、取り出すと10センチほどの円筒状になっていますが、この部分の交換によって対応する鍵を変えることが可能です。
シリンダー交換が出来る条件としては、以下の3点が挙げられます。
条件① ドアに合うシリンダーが自分で用意できている
大前提として、新しく取り付けたいシリンダーが用意できていることが求められます。
シリンダーは主に、鍵屋やホームセンター・オンラインショップなどで購入することが可能ですが、どんなシリンダーでも取り付けられるという訳ではないもの。
ご自宅で以下の点を確認し、これらが対応している鍵を選びましょう。
(1)ドアの厚さ
(2)扉の側面の金属プレートの大きさ
(3)金属プレートを止めているネジの間の距離
(4)バックセット(錠前からドアの金属プレートまでの距離)
鍵の型番は、扉を開けた時にしか見えない側面部分の金属プレートに刻印されていたり、鍵の購入時の保証書・取扱説明書などに記載されていたりするため、その型番に合った鍵を用意しましょう。
どの鍵が対応しているか分からなければ、現在ご使用されているものと全く同じシリンダーを選ぶという手段を取ることも出来ます。
条件② 必要となる工具が揃っている
扉の側面の金属プレートを外すためには、一般的にはプラスドライバーが必要となります。
また、シリンダーを固定しているピンを引き抜くためにはペンチなどがあることが望ましいです。
いずれも工具としては特殊なものではないため、自宅にない場合にも、ホームセンターなどで簡単に用意することができるでしょう。
条件③ ドアの鍵が開錠出来ている
条件②で述べた通り、鍵のシリンダー交換のためには、扉の側面の金属プレートを外すことが必要です。
当然ながら鍵が開いていなければ交換は不可能なため、あらかじめ鍵を開ける必要があります。
鍵を紛失・破損している場合には、開錠作業にも手間がかかるため、まとめて業者に依頼することが得策だと言えます。
鍵のシリンダー交換の流れ
では、実際の鍵のシリンダーの交換作業の流れをご紹介していきます。
ステップ① 扉に合うシリンダーを用意する
まずは上述した通り、新しく取り付けたいシリンダーを用意します。
扉の厚さ・もともと設置されている鍵の型番を確認し、両方に合ったシリンダーを準備しておく必要があります。
対応しているシリンダーが分からなければ、現在使っているシリンダーと全く同じものを準備することもひとつの手です。
ステップ② ドライバーで扉の側面の金属板を外す
プラスドライバーを使用して、扉の側面の鍵の部分を覆っている金属板を外します。
金属板の上下2か所にネジが取り付けられていることが一般的ですので、その全てのネジを外します。
ステップ③ シリンダーを止めているピンを外す
金属板を外したら、シリンダーを固定しているピンが見えるようになりますが、マイナスドライバーなどを使用してこのピンを抜いていきます。
長年同じ形に固定されていたシリンダーは動かしにくくなっている場合もあるため、片手でシリンダー部分を少し持ち上げるようにすると、ピンを抜きやすくなることがあります。
ステップ④ シリンダーを外し、新しいシリンダーを取り付ける
ピンを外したらシリンダーが自由に動くようになるので、新しいシリンダーへと取り換えます。
メーカー名などが記載されている向きを確認することで、上下の方向も正しく取り付けましょう。
ステップ⑤ ピンを差し込み、金属板を再び取り付ける
シリンダーを取り付けたら、一度外したピンを元のように差し込みます。シリンダーの型番が合っていないと、ここでピンが差し込めなかったり、うまく固定できなくなったりする恐れがあります。
また、無理矢理差し込もうとすると、ピンが折れて取り出せなくなる危険性もあるので注意しましょう。
ピンを元のように差し込んだら、金属板をネジとプラスドライバーで再び固定します。鍵が問題なく使えるか確認したら、シリンダー交換の作業は完了です。
鍵のシリンダーの交換ができない場合
最も短時間で鍵開けを終えるためには、身の回りにある物を使用することがオススメです。
高度な技術を要するピッキングの手法や、膨大な労力を要する破壊開錠が代表例として挙げられます。
ドアノブとシリンダーが一体になっている場合
ドアノブの中央部分に鍵が埋め込まれているタイプや、2枚の引き戸の重なる部分に鍵が取り付けられているタイプの場合には、シリンダーを外すことが不可能です。
そのため、上のようなシリンダー交換を実施することができないので、鍵交換のためには錠前全体を新しいものに取り換えることが必要です。
鍵の交換について貸主の許可がない場合(賃貸住宅など)
賃貸住宅の場合、鍵の交換には大家や管理会社の許可が求められることが多くなっています。
安否確認が必要となる有事の時や、家賃滞納が発生した時などに大家や管理会社が入れないことが主な理由ですが、鍵を交換したい事情を説明することで許可が得られるケースもございます。
勝手に鍵を交換してしまうと、退去時に元の鍵へ戻すための費用などを請求されることも考えられるため、賃貸住宅の場合には貸主に鍵交換を相談することが確実です。
自分での鍵の交換が難しかった場合
上記で説明したような方法でも、自分の手での鍵交換は困難なケースが多々ございます。
また、メーカーやタイプなど多種多様な鍵の中から、自分の希望に合った鍵を見つけるのも至難の業です。
ここからは、自分の手での鍵交換が難しい場合の対応策をご紹介します。
解決策① 新しく鍵を設置し、現在の鍵と併用する
まずは、現在ご使用している鍵とは別に、新しい鍵を取り付けるという解決策が考えられます。
一つの扉に複数の鍵を設置することは「ワンドア・ツーロック」とも呼ばれ、空き巣などの防犯対策における重要な考え方です。
しかし当然ながら、もともとの鍵が故障していたり、紛失して開けられなかったりする場合や、扉の大きさ・材質などが問題で新しい鍵を取り付けることができない場合などには、この方法を採用することは出来ません。
解決策② 鍵の業者に交換作業を依頼する
二つ目の解決策としては、鍵の業者に交換作業を依頼することが考えられます。
鍵の専門家が実際に現場へと出張して鍵の交換を行うため、よりスピーディーで手間がかからないことがメリットに挙げられます。
自分で鍵交換をするよりも費用が高くつくことはデメリットですが、誤って鍵を壊してしまうリスクや、たくさんの中から鍵を選ぶ手間を考えれば、必要経費の範疇であるとも言えるでしょう。
鍵の交換に掛かる費用
ここからは、鍵の交換作業をするにあたって気になる費用について解説を加えます。
自分で鍵交換する場合と業者に依頼する場合とで差が生じるため、予算を踏まえて、ご自身に合った選択をすることが好ましいです。
自分で鍵を交換する場合
自分で鍵交換を行う場合には作業費用をゼロに抑えられるため、シリンダーなどの部品代のみが掛かります。
シリンダーは、格安なものならホームセンター・オンラインショップなどで千円台から販売されています。
しかし、安価な旧型の鍵はピッキングへの耐性が弱い鍵であることが多いため、セキュリティ面を考えると最低でも5,000円から数万円のシリンダーを購入することがオススメです。部品代のみで作業を終えられることは経済的で魅力ですね。
しかしながら、施錠した状態で鍵を紛失した場合には、別途開錠作業が必要になります。
また、作業の途中でシリンダーを破損してしまった場合には、錠前全体の交換が避けられないケースもございますので、慎重な作業が求められます。
業者に鍵の交換を依頼する場合
業者に鍵交換を依頼する場合には、部品代に加えて 作業費用が掛かります。
この作業費用は会社によって差があり、手数料や時間外対応料金を請求する会社もあるため 、実際の作業を依頼する前に確認することが重要です。
自分で鍵交換をするよりも高額になることは当然ですが、プロフェッショナルの手での交換作業・鍵の使用前の調整・部品の準備などを一任できるなら安価だと言えるでしょう。
鍵の交換は業者に依頼するのが安心です
住宅などのセキュリティの「要」となる鍵。もちろんご自身での鍵交換は不可能ではありませんが、メーカー・機能性・価格などあらゆる条件を踏まえてアイテム選びをすることは、非常に面倒なものです。
また、交換作業は一筋縄ではいかないものですので、失敗した時のリスクを考えれば予算以上の費用や手間がかかる可能性があります。
ご要望に合った鍵の交換を行うなら、鍵の専門業者に依頼することが確実です。お客様のご予算・鍵に求める機能性などを踏まえて、ベストな提案ができるのが鍵の専門家です。
プロの手できちんと鍵交換を実施することで、毎日の暮らしの安心を手に入れましょう。
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